前回の記事『#104.自己肯定感が低いとどうなる?』で、自己肯定感が低いと引き起こされる症状のひとつとしてHSP(Highly Sensitive Person=ハイリー・センシティブ・パーソン)を挙げました。


 このHSPですが、いわゆる敏感気質のことで、生まれつき刺激に敏感である為に周りからの刺激を過度に受けてしまう人のことを指します。


 HSPの人は日頃から些細なことでも過度に受け取ってしまう為に疲れやすかったり、他人の感情に巻き込まれるので苦しい思いをしたり、頼まれごとを断れずに自分のことを責めたりといった状況に陥りがちです。


 今回はこのHSPとはどういったものか? HSPだとどうなるのか? HSPとうまく付き合っていく方法などについて書いていきますので、「自分もそうかも?」と思われた方もそうでない方も、ぜひ見てみてくださいね。






HSPとは?


 HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。


 自分がHSPであるかどうかのチェックリストとして、以下のものがあります。


  1. 人の気分に左右されやすい
  2. 大人数の飲み会や集まりが苦手で、いつも居心地の悪さを感じる
  3. 急な予定変更にパニックになってしまう
  4. 疲れやすく、1人の時間がほしいと感じる
  5. 友達が狭い範囲に少ししかいない
  6. 人の輪にうまく入っていけない
  7. 好きな人や友達、職場の人などに本音で話せない
  8. すぐ人を好きになったり、相手に依存したりしてしまう
  9. 職場で周りの目が気になる
  10. 小さなミスにも激しく動揺する
  11. 一度に複数のことができない
  12. ミスが怖くて仕事に時間がかかる
  13. 仕事を頼まれると断れない
  14. 怒っている人やトラブルを見ると落ち込む
  15. 同僚との雑談や表面的な会話が苦手
  16. 仕事で注意されると自分が全否定されたような気になる
  17. 人混みで疲労困憊する
  18. 今の仕事が向いていない気がして、転職を繰り返してしまう
  19. 体調が優れないことが多い
  20. ちょっとしたことで落ち込みやすい
  21. 職場異動や席替えなど、環境の変化にうまく対応できない
  22. 相手が望む通りにしようとして疲れてしまう
  23. 時間にいつもギリギリ、もしくは遅れてしまう
  24. 自分で決めるよりは他人に決めてもらう傾向にある
  25. 結果を出そうと頑張りすぎてしまう


 いかがでしたか? 当てはまる項目が多いほどHSPの可能性が高いということになります。HSPの人は25項目のうち半分以上、多い人はほぼ全部という人もいるようです。



 さて、HSPを提唱したアーロン博士ですが、彼自身が敏感気質なHSPであり、自身の敏感さや生きづらさについて研究しようというのが始まりでした。


 内面的な特徴を持つ人たちは人種や性別、年齢などに関係なく、どの国でも一定の割合でこの敏感気質な人がいることがわかりました。


 さらに、HSPは生まれ育った環境や自身の性格などの後天的な要因ではなく、先天的な気質…つまり生まれ持った気質であることがわかったのです。


 HSPとは、いわば​生まれつき感度の高い人であるということです。そんなHSPになると(つまり実際はHSPとして生まれると)どうなるのかを見ていきましょう。



HSPになるとどうなるのか?


 さて、前項でも書きましたが、HSPは今そうでないあなたは今後もHSPではありません。でも、今HSPのあなたは今後もHSPですよ、と、そういうことなんですね。


 先天的なものであるということは、生まれたときからずっとそうであったので、違和感なく今日まで生きてきた人も多いのではと思います。


 私自身も前項のチェックリストでは25項目中18項目が当てはまりましたから、気質としてはかなりHSPに近いと思いますし、共感できるものがあります。


 HSPになると、周囲の音や光などの刺激に敏感に反応してしまったり、相手(強い人だと周囲の人)の感情や電磁波など目に見えないエネルギーまで受け取って敏感に反応してしまいます。


 また、そんなエネルギーを感じ取ってしまうので、相手の怒りや悲しみの感情にひどく疲れてしまいます。相手に合わせようとした言動を選びがちになるとも言えますね。これは相手の気持ちに深く共感できるという素晴らしい一面もありますが、これによって、相手の気持ちに引っ張られてしまってどっちつかずになることもあります。自分の意思と相手の意思(を汲み取ろうとしたもの)の境界が曖昧になり、何が自分の本音なのかがわからなくなってしまいます。


 そうして相手や周囲の環境に気を使い続けているHSPの人は、総じて疲れやすいと言えます。これは何かをしているからというわけでなく、特に何もしていないときにも常日頃から無意識に周りの刺激をアンテナのように拾い集めている為、人混みにいたり周囲のネガティブな感情に巻き込まれているときなどにも大きな消耗が見られるということです。


 また、冒頭でも書きましたが自己肯定感が低いとHSPを引き起こしやすいのですが、これは逆のことも言えます。HSPは相手のことを気にしすぎるあまり「これは自分がいけないんじゃないか?」と相手よりも自分を責めてしまいがちになり、悪い方向に考えてしまう傾向にあり、自己否定感を強く持っていると言えます。



 HSPになると無意識に気を遣っている為に疲れてしまううえに、自分が悪いんだと自己否定感を持っている為、生きづらさを感じることがままあるでしょう。




HSPはなぜ生きづらいのか?


 ここからは前項を引き継ぎ、HSPの生きづらさについて書いていきます。


 なぜ生きづらいのか、という理由については前項でも書きましたが、簡単に言うと​気を遣いすぎだということです。


 わかりやすい事例として、左利きだと日常生活の中で必然的に右利きに合わせざるを得ないことがあるというものがあります。


 前時代と比べるとその色は弱くなったとはいえ、日本はまだまだ典型的な右利き社会で、駅の自動改札や自動販売機、ハサミなど、右利きに合わせて作られたものには必然的に合わせるしかありません。


 また、カウンター席などでご飯を食べる際には右利きの人の右手とぶつかりそうになり、窮屈な思いをすることも少なくないでしょう。


 今の例は目に見えるものでしたが、このように​多数派・少数派に分かれた場合には少数派が苦しい思いをすることになると言えます。



 さて、HSPの生きづらさについてここまでに書いたことは、実は何ら説明できていません。なぜなら、HSPは先天的なものなので左利きで苦しい思いをしているからHSPになる、というものではないからです。


 HSPの人はこのような目に見えた特徴がない為、周りも自分も意識するのが困難であると言えます。


 HSPを提唱したアーロン博士は、HSPの人は全人口の15〜20%、つまり5人に1人程度はHSPだと言っているのです。


 毎日漠然とした生きづらさを感じる中でも、​相手にどう思われるかが気になったり周りの人の感情を過敏に受けてしまったり、自分のことがうまく話せなかったりしながら、ダウンしてしまう人もいます。


 こうしたことが起こればむしろHSPであることに気づけるので、そういったことになってしまうのは仕方がないんだと理解できるでしょうが、世の中ではまだまだHSPの認知度は低く、辛い思いをしながら日常生活を過ごしている人も多いということがおわかりいただけるでしょう。


 先ほど書いた左利きのことは、当然本人が左利きである自覚がありますが、HSPの場合は無自覚なことがほとんどです。つまり、自分が左利きであることを理解していないので、無理して多数派である右利きに合わせようとしているようなものです。


 それでは当然(本人の自覚なく)無理をしているわけですから、自信をなくすことにつながっていき、漠然と生きづらさを感じるようになってしまいますよね。




HSPと上手に付き合っていくには?


 HSPの人は、HSP特有の悩みに気づかずに生きづらさを感じていることが多いです。


 まずは気づく(自覚する)ことですが、自覚した先の対処方法を考えることが大切です。HSPは敏感気質であるので、この敏感さは強みなんだと知りましょう。


 ここからはHSPの対処方法となるものを紹介していきますので、ぜひ取り組んでみてください。



頑張らない

 HSPの人は相手のことを思いやるあまり、相手に合わせすぎたり、自分を必要以上に抑える傾向があります。


 そうならない為にも、​相手の責任と自分の責任を切り分けること、相手だけでなく自分の気持ちを大切にしてあげることを心がけましょう。


 頑張りすぎている状態は、心に余裕がないので、イライラしたりどこかで爆発してしまいます。


 相手は相手、自分は自分だと意識して分けて考えましょう。これによって、必要以上に振り回されることが減っていきます。



家族関係を見直す

 過去に親に言われて辛かったことや嫌だったことを書き出してみましょう。同時に、こうしてほしかったという思いも書き出していきます。


 HSPの人は敏感な性質から、子どもの頃に親の反応に人一倍気遣い、人一倍傷ついてきた過去があることが多いです。


 こうした思いを書き出していくことで、過去の心の傷を知る手がかりにもなります。


 

感情を解放する

 HSPの人は自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先してしまうことから、感情の処理がうまくできないといった悩みを持っています。


 周りの感情に巻き込まれてしまわない為にも、自分の感情を解放する方法を学びましょう。


 自分の感情を客観的に見つめ、認めてあげることで自然と感情が解放されていきます。


 

嫌われる勇気を持つ

 HSPの人にとって人に嫌われることは最も避けたいことですが、周りを気にして自分を責めることがかえって相手に悪い印象を与え、悪循環に陥ってしまうこともあります。


 嫌われる勇気とは別に本当に嫌われるような過激な嫌がらせをするとかではなくて、他人とは違った意見を持っている自分を許容するということです。


 相手の思っていることと違うことをすると嫌われてしまうと想像してしまいがちですが、HSPでない人はそこまであなたの意見を気にしていないのです。


 まずは相手の意見と自分の意見を客観的に見て、その違いをわかってあげたうえで受け入れることから始めてみましょう。


 

環境を選ぶ

 置かれる環境によって、その環境に順応しようと無意識に頑張ってしまいがちなHSPの人は、​自分が心地よいと思える環境を大事にすることです。


 敏感な性質によって人の感情だけでなく音や光といった情報にも過敏に反応しがちなので、自ら心地よいと思える環境に身を置けるようにすることで防御できます。


 また、今まで意識していなかった環境を意識的に選択していくことで、自分の心地よさを選択できるようになっていきます。


 

熱中できること(もの)を作る

 HSPの人は周りの人を気にしすぎてしまう特徴があります。これによって注意が多方に分散してしまうので、熱中して打ち込めること(もの)を作ることは大事です。


 とはいえ、すぐに熱中したり集中したりできる何かを見つけるのは難しいということもあるでしょう。そういった場合は意識して選択肢を減らして、やることを絞っていくやり方が良いこともありますね。


 HSPの人にとって何か1つでも得意な分野を持つことは、安心感・落ち着きを与えてくれます。


 また、常に全力では疲れてしまうので、自分の能力を活かせる得意分野に絞って決めていくのが良いでしょう。


 

自分軸を中心に置く

 ある意味では最も重要ですが、最も難しいと思えることに、他人中心ではなく自分の軸を中心にして生きようというものがあります。


 何度も書いてきたことですが、HSPの人は他人の考えや意見を優先して、自分の考えを押し殺してしまいがちになります。これによって自分の考え自体を見失ってしまう場合もあるので、まずは​自分の考えに目を向けることから始めましょう。


 それから徐々にその考えを実現させるように行動していくことで、スムーズに自分の軸を中心に置いた考え方に移行していくことができますよ。





まとめ


 ここまで、HSPについて書いてきましたが、いかがだったでしょうか。私自身も調べていくうちに様々なことを発見できて、楽しんで書くことができました。


 これまでは何となく他人に合わせる自分に違和感を感じながらも過ごしてきましたが、あまり度が過ぎるようだと心身の不調にあらわれてしまうこともあり、あまり心の健康という意味でも良くないと実感しました。


 必ずしもHSPは危ない何かではないですし、この感性を持っていることで他人の気持ちを考えられる優しい心の持ち主だと言えることもあります。


 あまり過度に気にし過ぎずに、HSPという性質と上手に付き合っていくべきなんだと思えました。


 HSP自体が目に見えるものでなく、また、なかなか自覚できない性質でもあるので、この記事を通してHSPに気づいてもらえたら、嬉しく思います。







(最終更新日:2019年12月02日)

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